製品情報PRODUCT INFORMATION

防草ブロック

構造物と構築物の接着面を下向きに曲げ誘導路とし、太陽に向かって上に伸びようとする雑草の芽の成長をを強制的に下向きすることで、自然に芽の成長が止まります。

工法説明~地球に優しい防草ブロックと工法~

光合成植物の雑草は屈光性!!
太陽に向かって上に伸びようとしますが、下向きには伸びないという性質です。
この性質を利用して・・・
構造物と構築物の接着面、すなわち目地となる部分を下向きに曲げ誘導路とし、伸びてきた雑草の芽を強制的に下向きにすることにより雑草の芽は上に伸びることができずもここで芽の成長は自然に止まります。

角度実験~屈光性の有効角度確認実験~

【実験開始】極力均等になる様、各角度の試験体を配置。
【1ヶ月後】試験体が緑化し、それぞれが順調に発育してきている。
【1ヶ月半後】屈折部に達した試験体が茶色に変色し、枯れてきている状況がうかがえる。
【2ヶ月後】全試験体で発育が抑えれ、特に角度αが45゚以下のものについて、発育の抑制効果が高くみとめられる。

製造及び試作品

型枠と試作品
歩車A完成品
型枠引き抜き中
オリジナルベース付歩車(片面)
歩車C及び歩車A
オリジナルベース付歩車(片面)

施工実績

国土交通省 23号 南区環状歩道整備工事
東部丘陵線工事 力石名古屋線杁が池交差点
名古屋市 歩道修繕工事 緑区鳴海町
豊明市 歩道改良工事

施工現場での防草効果の確認 ~名古屋市緑区平手地内新細口橋~

[施工前]コンクリートと舗装との目地部に雑草が生い茂っており、雑草が生え易い環境であることがわかる。
[施工後]通常のブロックとの比較のため、一部のみ防草ブロックを配置。
[施工前]防草ブロックの配置は写真の通り。
[施行後]手前の通常ブロックには既に雑草が生えているが、防草ブロック部には雑草の発生が見られない。

名大先生のコメント~草防技術に対するコメント~

名古屋大学 生物機能開発利用研究センター
教授 北野 英巳

この度開発されました、路肩と舗装面に生じる目的に関する防草工法についてコメントさせて頂きます。

植物の芽は太陽に向かって成長する性質が有ります。これを正の屈光性と呼んでいますが、根はこれとは逆に光の向きとは逆の方向に進む性質(負の屈光性)が有ります。また、根には重力を感知し地面の中へ伸びようとする性質(屈地性)も有ります。植物にはこのような性質が備わっているために、地下部で根が成長して養水分を吸収し、地上部では植物体が光合成を行って大きく育つことができます。

路肩に発生する雑草の種類は双子葉、単子葉、草本、木本、一年生から多年生に至るまで極めて多種多様であり、種類によって要求する養水分の量や成長を可能とする目地の隙間の幅や深さが大きく異なります。今回開発、採用されている防草工法は、これら全ての植物が持っている共通の性質に着目し、構造物の境界面を工夫し、屈光性や屈地性によって芽や根が伸びるのを防ぐ、極めて合理的な技術として注目されています。

雑草の種子は、作物に比べて休眠性が高く、地中に埋まった状態でも長期にわたり発芽能力を維持することができます。また、雑草の中には地中深く発芽し、光が届かない状態でも胚軸や茎葉部を伸長させることにより地表に芽を出すことができます。しかし、限界を超えた深さや地表に芽を内の養分を使い果たしてやがて枯死してしまいます。今回開発された防草工法は、模型の物理的障壁面を水平から下向きに傾けることにより、下から伸びてきた雑草の芽を本来の伸長方向とは逆方向に誘導するような構造にすることにより芽が地上へ出るのを防いでいます。一方、目地の表面近くで発芽した雑草は、模型障壁の下部に根が到達しても今度は本来とは逆向きに伸長しなければ土中へ到達できないことから、養水分が供給されていても根の成長が極力抑制されるので目地に侵入した雑草の成長も抑制できる構造になっています。

以上のように、本防草工法は、屈光性、屈地性といった植物の持つ基本的性質を利用した環境負荷の極めて小さい技術でありながら、施工による除草経費の軽減や道路の美観の維持といった大きな効果が期待できるという点で、極めて優れた技術として評価に値すると考えられます。

資料など

各製品情報はPDFデータでもご覧いただけます。