ザ・ウォールⅡ(大地震対応型)
近年の宅地造成においては開発適地の減少により、斜面地への宅地化が進む傾向にあり宅地の有効利用とあいまって、擁壁の設置されるケースが増大している状況であります。工事期間の短縮や、人手不足の解消に対応した擁壁のプレキャスト化や、高い安定性の確保、品質の良い、街並に配慮した擁壁の提供が重要になってきております。この度、当社では上記のニーズに応じるべく「積載荷量10kN/m2」「フェンスを取付可能」等従来のザ・ウォールを大幅にグレードアップした「ザ・ウォールⅡ」の開発を行い、宅地造成等規制法施行令第14条に係る国土交通大臣認定を取得いたしました。このことにより、全国全ての宅造の現場に手軽にご採用頂けるものと存じます。また、大地震(水平震度kh=0.250)に対応し、皆様の財産である宅地を安心安全に構築できる擁壁が、ザ・ウォールⅡ(大地震対応型)です。
プレキャスト宅造認定L型擁壁の特徴
- 国土交通大臣認定(宅地造成等規制法施行令第14条)を取得しているので、認定条件内であれば設計・計算等の手間が不要で、計画から認可までの期間を短縮でき、手続きも簡素化できます。
- 直線部及びコーナー部製品共に、大地震対応の国土交通大臣認定製品です。
- 前面が垂直なので、敷地境界線まで土地を最大限有効に使用できます。
- コーナー部の角度を90゚≦θ<180゚まで自由に設計できます。
- 認定条件の範囲で擁壁の天端にフェンスを取り付けることが可能です。
- 直線部製品のみ擁壁長を1.0mまで、短縮することができます。
- 鉄筋の被りを4cmにすることにより100年の耐久性があります。(建築研究所におけるコンクリートの中性化実験結果より)
- 擁壁天端を加工することができます。(天端カット、天端斜切)
- 擁壁底版を加工することができます。(ベースカット)
製品仕様
ザ・ウォールⅡ(大地震対応型)直線部
呼び名 |
H |
B |
t1 |
t2 |
t3 |
t4 |
d1 |
d2 |
d3 |
d4 |
R |
h |
製品質量 (kg) |
---|
1000X |
1000 |
750 |
150 |
110 |
110 |
150 |
160 |
110 |
300 |
440 |
150 |
550 |
1020 |
1250X |
1250 |
900 |
150 |
105 |
130 |
200 |
170 |
110 |
300 |
580 |
150 |
750 |
1290 |
1500X |
1500 |
1050 |
150 |
105 |
150 |
240 |
180 |
110 |
300 |
720 |
150 |
750 |
1590 |
1750XB |
1750 |
1300 |
200 |
105 |
160 |
260 |
200 |
110 |
300 |
850 |
225 |
850 |
2110 |
2000XB |
2000 |
1500 |
200 |
105 |
180 |
280 |
220 |
110 |
300 |
990 |
225 |
850 |
2510 |
2250XB |
2250 |
1650 |
200 |
105 |
200 |
350 |
230 |
110 |
300 |
1130 |
225 |
850 |
2920 |
2500XB |
2500 |
1850 |
250 |
105 |
210 |
400 |
250 |
110 |
300 |
1260 |
300 |
850 |
3530 |
2750XB |
2750 |
2050 |
250 |
105 |
230 |
480 |
280 |
115 |
300 |
1400 |
300 |
900 |
4140 |
3000XB |
3000 |
2200 |
250 |
110 |
250 |
550 |
300 |
120 |
300 |
1530 |
300 |
950 |
4750 |
ザ・ウォールⅡ(大地震対応型)コーナー90゚~179゚
呼び名 |
H |
L |
B |
t |
d |
h |
p |
q |
r |
l |
m |
参考重量(㎏) |
θ=90゚ |
θ=120゚ |
θ=135゚ |
θ=150゚ |
1000 |
1000 |
1500 |
750 |
150 |
150 |
550 |
750 |
− |
150 |
150 |
− |
1610 |
1790 |
1830 |
1840 |
1250 |
1250 |
1500 |
900 |
150 |
150 |
750 |
750 |
− |
150 |
150 |
− |
1910 |
2130 |
2200 |
2230 |
1500 |
1500 |
1500 |
1050 |
150 |
150 |
750 |
750 |
− |
150 |
150 |
− |
2200 |
2470 |
2570 |
2620 |
1750B |
1750 |
1700 |
1300 |
200 |
200 |
850 |
850 |
− |
225 |
300 |
− |
3810 |
4350 |
4540 |
4670 |
2000B |
2000 |
1700 |
1450 |
200 |
200 |
850 |
850 |
− |
225 |
300 |
− |
4220 |
4840 |
5080 |
5250 |
2250B |
2250 |
1700 |
1650 |
200 |
200 |
850 |
650 |
1050 |
225 |
300 |
150 |
4620 |
5350 |
5650 |
5880 |
2500B |
2500 |
1900 |
1850 |
250 |
250 |
850 |
650 |
1250 |
300 |
300 |
− |
7100 |
8270 |
8750 |
9120 |
2750B |
2750 |
2100 |
2050 |
250 |
250 |
900 |
650 |
1250 |
300 |
300 |
− |
8740 |
10150 |
10730 |
11180 |
3000B |
3000 |
2250 |
2200 |
250 |
250 |
950 |
750 |
1250 |
300 |
300 |
200 |
10230 |
11860 |
12520 | 13040 |
設計条件
裏込土
単位体積重量 |
γs=16〜19kN/m3 |
内部摩擦角 |
φ=25゚以上 |
擁壁背面の地表面角度 |
α=0゚(水平) |
基礎地盤
基礎地盤と擁壁底面との摩擦係数 |
μ=tanφただし、μ〉0.6の場合μ=0.6とする。 |
必要根入れ深さ |
岩盤に設置する場合を除き次の通りとする
内部摩擦角φが25゚以上30゚未満 Df=45cm以上かつ擁壁の高さの20/100以上
内部摩擦角φが30゚以上 Df=35cm以上かつ擁壁の高さの15/100以上 |
必要許容応力度 |
基礎地盤に必要な許容応力度表による |
積載荷重
等分布荷重 |
q=10.0kN/m2ただし、多雪地域は積雪荷重を含む。 |
フェンス荷重擁壁天端より、Hfの位置にPfの荷重が作用するものとする。
作用位置 |
q=10.0kN/m2ただし、多雪地域は積雪荷重を含む。 |
作用荷重 |
Pf=1.00kN/m |
地震時 設計水平震度
大地震 |
Kh=0.250 Kv=0 |
荷重の組合せ
荷重 |
常時 |
フェンス荷重時 |
大(中)地震時 |
自重 |
〇 |
〇 |
〇 |
積載荷重 |
〇 |
〇 |
〇 |
常時主働土圧 |
〇 |
〇 |
─ |
地震時主働土圧 |
─ |
─ |
〇 |
慣性力 |
─ |
─ |
〇 |
地震時受働土圧 |
─ |
─ |
〇 |
フェンス荷重 |
─ |
〇 |
〇 |
単位体積重量
種類 |
重量 |
鉄筋コンクリートγc |
24.0kN/m³ |
裏込土γs |
16〜19kN/m3 |
土圧
常時(常時) |
主働土圧:Coulomb(クーロン)土圧公式 |
フェンス荷重時(短期) |
主働土圧:Coulomb(クーロン)土圧公式 |
大(中)地震時(短期) |
主働土圧:物部の式 受働土圧:物部の式 |
安全率
安定計算 |
項目 |
常時 |
フェンス荷重時 |
大(中)地震時 |
地盤反力度 |
長期許容応力度以下 (極限支持力度1/3以下) |
短期許容応力度以下 (極限支持力度2/3以下) |
極限支持力度以下 |
転倒 |
1.5以上 |
1.0以上 |
滑動 |
1.5以上 |
1.0以上 |
部材計算 |
モーメントM |
長期1.0以上 |
短期1.0以上 |
せん断力Q |
長期1.0以上 |
短期1.0以上 |
付着 |
─ |
短期1.0以上 |
ひび割れ |
短期1.0以上 |
─ |
終局時部材計算 |
終局 |
モーメントM |
3.0以上 |
付着割裂 |
1.0以上 |
部材計算許容応力度
コンクリート |
常時 |
短期 |
終局 |
設計基準強度 Fc=30 Fc=40 |
圧縮 |
10 |
長期1.0以上 |
─ |
せん断 |
0.79 |
1.185 |
─ |
付着 |
1.70 [2.55] |
2.55 [3.82] |
─ |
付着割裂 |
─ |
─ |
─ |
鉄筋 |
常時 |
短期 |
終局 |
SD295A SD345 |
圧縮 |
195 |
295 |
─ |
引張 |
195 |
295 |
─ |
せん断 |
─ |
395 |
─ |
築造仕様
ザ・ウォールⅡ(大地震対応型)の構造にあたっては、擁壁背面および基礎地盤の土質条件により本擁壁の適用の可否や施工方法等が異なるので、施工場所の土質を十分把握して、認定条件に適合したものであることを確認してください。
- 必要根入れ深さについて
- 宅地造成等規制法施行令第8条4項に則り、擁壁を岩盤に接着して設置する場合を除き、次の通りとしてください。
- コーナー部の対応について
- 隅角部の施工は認定範囲内のコーナー製品が使用可能な箇所については、コーナー製品を使用し、それ以外の箇所は、「宅地防災マニュアル解説・解説編Ⅰ」に従って現場打ち構造としてください。
- セットバック(前壁を用地境界より下げること)について
- セットバックの幅は、前壁に化粧が付く場合等を考慮して協議の上決めてください。
- 基礎について
- 標準施工例の通りとします。ただし、基礎地盤の許容応力度が不足したり、部分的に基礎地盤が悪い場合には、許容応力度を確保できるように置換え工法、地盤改良、杭基礎等の基礎構造を適切に選定してください。
- 敷きモルタルについて
- 基礎コンクリート上面と擁壁底面との間に間隙が生じないように、厚さ2cm程度の空練りモルタルを均等に敷き均してください。
最終的に、敷きモルタルが密に充填されているかの確認をしてください。
- フィルター材について
- 擁壁背面の土砂が、目地および水抜穴から流出することを防止するために、耐食性の吸出し防止フィルターを各水抜穴の周辺部分と排水用目地部分に設置してください。
- 透水層について
- 前壁の背面には砂利等を全面に施した透水層を設置してください。また、浸透水を有効に排水するために、透水層の最下端部分に、止水コンクリートを設置してください。
透水層は、砂利等の材料を用いてフィルターが剥落ちないように、擁壁の背面に慎重に施工してください。
透水層の厚さは、原則として30cm以上としてください。
透水層として、砂利等の代わりに透水マットを使用することもできます。この場合、建設省経民発第22号、建設省住指発第138号による「擁壁用透水マット技術マニュアル」((公社)全国宅地擁壁技術協会)に準拠してください。
- 埋戻し等について
- 埋戻し土は、各層毎に均一に所定の密度となるように締め固め、機械の走行または偏心荷重により、擁壁が損傷を受けないように注意してください。また、雨水、地表面水の排水には十分配慮し、埋戻土の沈下を見込んだ余盛以上の土羽を設けないでください。
高さの規格が異なる製品間やコーナー部と直線部間においてプレートによる連結ができない箇所が生じることがあります。この場合、埋戻し時の転圧等により製品のズレが生じないように十分注意してください。
- フェンス設置について
-
- ①擁壁の天端に直接フェンスを取り付けることができます。
地域により設置可能なフェンス高さ、見付面積率が異なります。
- ②フェンスの支柱間隔が2m以下、フェンスにかかる風圧力が1kN/m以下、フェンス自重が50㎏/m以下としてください。
- ③フェンス支柱の中心は擁壁天端厚中心または前壁前面から75mm、フェンス穴加工範囲は製品両端から165mm以内の部分を除く範囲にフェンスを設置してください。
以上のほか、築造に関する諸条件は、ザ・ウォールⅡ(大地震対応型)築造仕様書をご確認ください。
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